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「福井大方式」県教委と連携 免許更新の場活用(2011.9.8)

2011年9月8日 福井新聞

3年目を迎えた教員免許更新制度の講習で福井大は本年度から、県内の小中高校の新任教頭69人をグループ討論の調整・進行役に起用している。県教委との連携事業で、教頭の新任研修として話を聞く力(傾聴能力)と会議などの進行技術を磨く狙い。同大によると、こうした取り組みは全国で例がないという。
福井大教員免許更新制度の講習に2008年(同年は予備講習)から、4~5人単位のグループ討論を導入している。現職の校長や教頭、校長OBを調整・進行役として起用し、「福井大方式」として全国の教育関係者から注目を集めているという。
こうした中、昨年「教員の話を聞いたり、討論の進行役を務めることは、聞く力や会議の進行技術向上につながり、新任教頭研究に最適」との考えで同大と県教委が合意した。県教委はもともと新任教頭に5日間の研修を課していた。同大で調整・進行役を2日間務めてもらうことで、5日間のうち1泊2日の宿泊研修を廃止した。
グループ討論は座学の合間に行われ、受講教員が自己紹介したり、過去の経験談や小学教員による講義内容について意見を述べる。新任教頭は各グループに1人ずつ加わって話を聞き、自らの経験や考えを基にアドバイスしたり、受講者全員が時間内に公平に意見を述べることができうよう進行する。
8月上旬に開かれた講習に参加した荒井誠・鹿谷小教頭は「30、40、50代と幅広い教員の話を聞くことで、互いに学び合うことができた」。坪川敏光・灯明寺中教頭も「さまざま情報を交換でき、悩みも共有できた」と調整・進行役を務めた満足感を漂わせた。
同大教職大学院の長谷川義治教授は「受講者にこれまでの経験や悩みを語ってもらうため、じっくりと聞く姿勢を磨けば、学校に戻っても生かせる」と話す。
一方、講習にはさらなる提案の声もある。グループ討論の目的はあくまで調整・進行役としての技能向上。ある教頭は「いじめなどの問題を聞いたり、教員の問題点を見つけたとしても解決までは求めらていない。しかし、聞いた以上は解決したいと思う。それらに対応する仕組みを確立すれば本県の教育はより良くなる」と話している。

│ 2011年9月8日 │
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