2011年8月6日 福井新聞
総務省は5日、戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)の本年度新規研究開発課題として、福井大の「僻地医療の高度化に向けた救急救命システムの研究開発」を採択したと発表した。
同大の研究は心筋梗塞患者の迅速な処置につなげるシステム。血管がつまり心筋梗塞を起こした患者を救急車で搬送中に心電図をスマートフォン(多機能携帯電話)でリアルタイムに送信。搬送先の病院や、勤務時間外の専門医が、ネット上のソフトデータを利用するクラウドコンピューティングにより、情報を共有するシステムを開発する。
搬送中に血管の詰まった場所などを心電図から特定することで医師を招集したり治療法を決めることができ、病院到着後に血管の処置などに迅速に対応する。
特に雪の多い本県などでは除雪中に心筋梗塞を起こす高齢者も多く、このシステム開発により、発症者の死亡率低下につなげる。
SCOPEのうち、地域の情報通信技術を振興するプログラム「地域ICI振興研究開発」として採択された。
同プログラムは最長2年間で、単年度の委託研究費上限は1千万円。22日に北陸総合通信局長が福井大の研究代表者に採択通知書を手渡す。