2月5日、福井大学医学部医学科分子生体情報学領域 宮本 薫教授が「第10回福井県科学学術大賞」を受賞しました。この賞は、福井県内において科学技術の開発または学術研究に携わり、福井県の発展に大きく貢献した者を顕彰することを目的とした表彰制度で、“福井県版ミニ・ノーベル賞”として位置付けられています。
今回の受賞は、骨髄由来の間葉系幹細胞および万能細胞ES細胞からステロイドホルモンをつくり出す細胞への分化誘導法の開発に成功したことが評価されました。
ステロイドホルモンは副腎や性腺(卵巣及び精巣)などで合成され、正常な糖・電解質の代謝や生殖機能の維持に不可欠なホルモンです。不足するとステロイドホルモン欠乏症となり、重篤な症状を示すため、注射や錠剤投与によるホルモン補充療法が行われてきましたが、治療を生涯にわたり継続する必要があるため、患者にとって大きな負担となります。今回の研究成果は、幹細胞を用いてホルモン産生細胞を再生することで、新たな治療法の開発につながると期待されています。
同教授は、「10年以上にわたる、研究室全員の努力と成果が評価されたもの」と喜びを語りました。