アルツハイマー病の原因物質を抑える阻害薬を発見

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医学部病態制御医学講座 内科学(2) 濱野忠則准教授らは、アルツハイマー病の原因となるタウたんぱくの線維化を抑える阻害薬を発見し、3月30日に松岡キャンパスで研究成果の記者説明を行いました。

DSC_3340認知症の大半を占めるアルツハイマー病は、脳の神経細胞の働きに必須のタウたんぱくが異常にリン酸化することにより凝集し「タウオリゴマー」を作り、さらに大きなかたまりを作るとタウ線維「神経原線維変化」が形成され、神経細胞死がおこることが主な原因です。
本研究チームは、緑内障、くも膜下出血後の治療で使用されている「ROCK阻害薬」に着目し検証したところ、本剤の投与によって、タウたんぱくのリン酸化が低下し、タウオリゴマーが減少することを培養神経系細胞で確認しました。さらに、アルツハイマー病を発症させたモデルマウスでもタウオリゴマーが減少し、細胞内でタウたんぱくを分解するオートファジーが活性化することを明らかにしました。これらの結果から、使用したROCK阻害薬に動物などへの毒性も認められませんでした。
ROCK阻害薬は既に治療薬として臨床応用されていることから、アルツハイマー病の治療薬や発症進行予防薬として実用化が期待されます。

本研究成果は、2019年12月16日に科学誌「Neurobiology of Aging(ニューロバイオロジー オブ エイジング)」に掲載されました。

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│ 2020年3月30日 │
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