福井市内で空き家を活用した高齢者向け住宅整備の実証実験に向け、合意書を交わしました。

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 本学、福井市、株式会社ケア・フレンズの3者は、空き家などの既存ストックを活用した高齢者向け住宅を整備するための実証実験にあたり、2月17日に福井市役所で合意書を交わしました。調印式では、市の福祉保健部山田幾雄部長が「高齢者の住まいの安定供給を目指して、市が持っている空き家の情報を交換しながら行っていきたい。システムとして動きだすことを祈念している」と挨拶し、㈱ケア・フレンズの脇屋智樹代表取締役は「産学官による社会的課題の解決として、非常に有意義だと感じる」と意気込みを話しました。本学の福井一俊工学研究科長は「本学の建築建設工学の分野はこれまで、地方都市のあり方に関する研究を蓄えている。その知がこのような形で発揮されることは嬉しい」と話しました。
 この実証実験は本学の大学院工学研究科建築建設工学専攻の菊地吉信准教授が平成30年に提唱した「インフィル型住宅活用」というモデルを使って行います。インフィル型住宅活用は、福祉サービスの拠点を中心に高齢者が徒歩で移動できる半径300m~500メートルを日常生活範囲として設定し、その中で住居と、生活支援サービスが満たされます。住居の支援は福井市が、高齢者や障害者の生活支援を介護事業者である㈱ケア・フレンズが行います。実証実験のモデルとして選定された松本地区は、高齢者に適した生活範囲に公民館、郵便局、スーパーなどが立地しており、利活用できる空き家は83戸あります。
 本学の菊地准教授はこの実証実験で得られた知見を集約して実現可能性を検証。このモデルを先進事例として、さらに別の地域へと広げていくことを目指しています。菊地准教授は、「こういったモデルは大都市部や団地で先例が多いのですが、地方都市では珍しく、この事業を通じて、福井の条件に合ったものを見つけていきたい。賃貸の空き室や空き家といったバラバラ所有者の関係をどのようにつないでいくかが課題」としています。地域のなかで、様々な問題解決ができるように、菊地研究室の学生らが「まちの中心」「人を待つ」「マッチング」するという意味を加味して、この運営拠点を「まちもと」と命名しています。
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│ 2020年2月17日 │
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