「結核菌の新しい自然免疫機構の解明」について報道発表を行いました

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ゲノム科学・微生物学 定 清直教授、附属病院 呼吸器内科 医員・大学院生 本定 千知医師ら研究チームが発表した論文

“Association of C-Type Lectin Mincle with FcεRIβγ Subunits Leads to Functional Activation of RBL-2H3 Cells through Syk”(日本語タイトル:「C型レクチンMincleとIgE受容体β鎖およびγ鎖との会合はチロシンキナーゼSykを介してRBL-2H3細胞の機能的活性化を導く」)が、英国科学雑誌「Scientific Reports」(日本時間4月10日)に掲載されました。

これを受けて、松岡キャンパスにて4月27日、定教授と本定医師が研究成果の報道発表を行いました。

世界人口の約1/3が感染し、日本においても高齢者や若年者の患者が近年増加し、2万人が発病、2千人以上が死亡している結核菌。定教授らは、花粉症などのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンを放出する元になる、いわば悪役と知られている「マスト細胞」の細胞膜にある受容体たんぱく質「ミンクル」が、結核菌の成分を受け入れて作用することによって様々なたんぱく質の働きを促し、体内免疫を活性化させ、わたしたちの体を結核菌から守る自然免疫のはたらきをしていることを世界で初めて明らかにしたと発表しました。実験には、細胞培養の実験に遺伝子工学の応用や薬剤による阻害実験、さらに最新のゲノム編集技術を使用しています。

定教授は、「今後は、結核菌の新たな予防法や治療法の開発、分子標的治療薬の設計につなげていければ」と今後の展望を述べました。

研究成果を説明する本定千知医師(左)と定 清直教授

│ 2017年4月28日 │
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