医学部地域医療推進講座では、県内臨床研修病院間を結ぶテレビ会議システムの運用を開始しました。
福井県の寄付により平成22年に設置された医学部地域医療推進講座では、福井県内の研修医に対する教育・研究を効率的、効果的に実施するために県内6つの臨床研修病院と共同して、テレビ会議システムとWEB会議システムの併用による地域医療支援システム「ふくレジ・ネット」を整備し、この5月13日から運用を開始しました。これにより、毎週1回の附属病院の研修医向けの勉強会を、他の臨床研修病院で研修中の臨床研修医の皆さんも居ながらにして、聴講できるようになりました。運用初日は、福井大学の35名を含む福井県立病院、福井赤十字病院、福井県済生会病院、市立敦賀病院、公立小浜病院から臨床研修医、看護師等約60名が「がん化学療法の基礎」を聴講し、質疑応答が行われました。23年度中には福井総合病院も参加が予定されています。
通常のテレビ会議システムでは一方的に資料を提示するだけですが、WEB会議システムを併用することで資料データが共有でき、各病院で資料を作成、修正、活用することができ、今後は、各病院から意見を出し合っての合同の症例検討会なども出来るようになります。また、WEB会議システムは、設置コストが比較的安価であり、通常のネットワーク環境でよいため、地域の小規模診療所からも参加ができ、例えば地域に赴任している医師も拠点病院勤務医との情報が共有できるシステムとなっています。
同講座の寺澤秀一教授は、セミナーやカンファレンスのほか臨床研修医以外の医療従事者の教育等にも活用していきたいとしています。
医学部地域医療推進講座は、福井県内の地域医療充実を図るため、平成22年4月から4年間、福井県から地域医療再生臨時特別交付金の寄附により、医学部に設置されました。同講座では、県内の地域医療の充実を図るため、魅力ある研修システム及び医師派遣システム等に関する研究・構築を目指すとともに、その研究成果を普及させ、地域に必要な医師の確保等、福井県の地域医療の推進に寄与することを目的としています。