福井大学産学官連携本部は、平成22年度から、県内の大学や試験研究機関が産業界で連携し知的財産(知財)を扱う人々のネットワークづくり、大学の保有するリソースやそれぞれの機関がもつ研究・技術を紹介することで、新たなビジネスチャンスにつなげる機会を提供する「ふくい知財フォーラム」セミナーを開催しています。
今回の「第11回ふくい知財フォーラムセミナー」は、地域知財を通した知と技の融合・連携づくりをテーマに、宇宙ビジネスを中心とした大学・公設試等と企業との連携の在り方を討論しました。新型コロナウイルス感染防止のため初めてWeb会議システムZoomを使ってオンラインで開催し、県内外の団体・企業から79名が参加しました。
講演では、本学青柳賢英特命准教授が、キューブサット超小型衛星を利用したルワンダでの農業観測などの事例や、福井県における衛生量産を目指した大学の取り組み等を紹介。ビジネスを見据えた衛星利用の展望について話しました。続いてSpaceBD株式会社プロジェクトマネジメント担当の桃尾一馬部長が、宇宙を誰でも利用可能にするという自社目標、またそれに基づく様々な自社ビジネスやリーマンサットスペーシズ等の衛星プロジェクトについて紹介しました。また、株式会社アストレックス菊池秀明会長が、なぜ人類は宇宙を目指すのかに始まり、宇宙産業の歴史や宇宙が壮大なアトラクションになるこれからの産業の場になることについて話しました。
講演後のセッションでは、Zoomのブレイクアウトルーム機能を利用し、参加者を2つのセッションに分け講師と気軽に意見交換を行えるようにしました。少人数制でのセッションでは、民間企業が宇宙ビジネスに参入しやすい状況になっていること、宇宙の知財への考え方、参入することのメリットについて話され、活発な意見交換が行われ、参加者からの質問にも応じました。セッション終了後の総括では、同本部の樋口人志特命教授と青柳特命准教授が「今後、宇宙ビジネスを軸とした知財の在り方を議論する必要がある」と話しました。
本学産学官連携本部は、今後も知財フォーラムなどの活動を通じ、大学と地域社会の知識財産の価値を高めていきます。