福井大学医学部看護学科卒/福井赤十字病院 助産師
高山 千春さん
福井大学の看護学科は、助産師・保健師・看護師の3つの資格が取れる県内で唯一の学校です。看護職を学ぶには実習は不可欠ですし、先々地元で働くなら地元で実習をしたいと思い、福井大学医学部看護学科に進学しました。大学では看護の基礎知識をはじめ、幅広い看護領域について学びましたが、その中でも私が特に関心を持ったのが助産学です。大学在学中に姉といとこが出産したのを機に「赤ちゃんの誕生に関わりたい」という思いが強くなり、4年次に助産師養成コースに進みました。助産学の実習では10例の出産場面に実際に立ち会うなど貴重な体験もでき、この仕事の大切さを身をもって実感することができました。
現在は福井赤十字病院の産婦人科で助産師として勤務しています。助産師の仕事は幅広く、出産時にお産を手助けするのはもちろん、妊娠中のケアや産後の育児指導など退院した後も継続的にフォローします。今は母親学級(マザークラス)の運営を担当。出生率が全国平均より高く子育てがしやすいと言われる福井県で、お母さんの不安を和らげ、自信を持ってお産に臨めるようサポートする助産師の仕事に誇りを持っています。また、楽しく母乳育児ができる手助けをする母乳外来など産後のケアも担当。「高山さんが担当してくれて良かった」と言ってもらえると嬉しいですし、お母さんと赤ちゃんの成長する力になれる今の仕事に出会えて幸せです。助産師の先輩には福井大学の卒業生も多いので安心感がありますし、就職後も卒業生同士の集まりや情報交換する機会が多い福井大学で学んで良かったと実感しています。キャンパス内にある附属病院で実習できたのも福井大学の利点。実習後、すぐに先生に疑問点を相談できますし、大学の図書館は24時間入れるなど、いつでも勉強できる環境が整っていたのもありがたかったです。また、卒業後も恩師と交流しやすいのも地元大学ならではの良さですね。困ったことがあれば、先生方がいつでも相談に乗ってくださると思うと、とても心強いです。勤務先で取り組んだ看護研究にも福井大学の先生がアドバイザーとなってくださるなど、卒業後も交流していただいていることにも感謝しています。
将来は、助産師外来で妊娠初期から産後まで総合的にお母さんと赤ちゃんのフォローをできるようになるのが目標です。助産師外来は助産師としての経験が10年以上必要なので、大学で学んだことをベースに、これからもキャリアを重ねていきたいですね。
私は新生児の先天的な疾患に関する研究を行っています。これからの助産師は出産時に妊産婦を支えるだけでなく医師の補助的役割として赤ちゃんの異常も見極める目を持つことが要求されます。高山さんは優秀な成績で各学年3名程度の助産師養成コースの試験を突破。学外で行われる助産学実習に向けた学内演習では、新生児蘇生などの演習課題を着実にこなしていました。福井大学には医学部附属病院があり、手術室での最新の手術を支える看護師から地域の保健活動を担う保健師、更に災害看護を含むあらゆる看護が学べる充実した教員がそろっています。また、結婚や出産などでいったん看護職を離れた方や、認定看護師などのスキルアップをめざす方にもキャリアアップセンターでのバックアップ体制を整備。実習、演習室、看護技術を養う機器類も充実しています。この道をめざす若い人には、最先端の医療現場などさまざまな分野で実際に活躍している看護師や教員から看護への熱意や技術を学び、自分のめざす看護へとつなげていってほしいと思っています。