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大学院工学研究科 生物応用化学専攻 博士前期課程2年の友安雄大さんが学会等で3受賞。

大学院工学研究科 生物応用化学専攻 博士前期課程2年

友安 雄大さん

第62回高分子学会北陸支部研究発表会 優秀研究賞、第3回日本化学会CSJフェスタ 優秀ポスター発表賞、第65回福井県染色同業会 工夫考案懸賞 特別賞と多くの賞を受賞しました。
友安さんは、工業でいうところの3大材料のひとつである高分子の設計に関する研究を行っています。ある分子(モノマー)が連なって、ひとつのかたまりになったものが高分子(ポリマー)です。これをどのような形に結合(集合)させるかで、同じ種類、化学式でも、目的に応じた機能に変化させることができ、新たな機能を持つナノレベル(ナノ=10億分の1)の新素材を創出することが可能になります。杉原研究室では、分子を自由に操る新分野「分子技術」に取り組んでいます。

近年ナノテクノロジーの重要性がますます高まっており、高分子材料の微細化も重要な課題の1つとして挙げられています。従来は材料となる高分子を合成した後、それを細かく成形していくという方法が用いられてきましたが、私が行っている「RAFT水系分散重合」は高分子合成の段階から完成形を考えて重合を行い、ナノスケールの高分子材料を作り上げていくという方法です。この手法を利用して、油となじむ性質を持つ疎水性の部分と水溶性の部分から成る「ブロックコポリマー」を水中で合成すると、このブロックコポリマーは両部分の水に対する溶解性の違いにより、自動的に「ナノ構造体」を形成します。

本研究「RAFT水系分散重合を用いたアミノ基含有ベシクルのin situ合成」の一番面白いところは,どこの家庭にもある塩(塩化ナトリウム)を仕込んで合成を行うと、その塩濃度を変化させるだけで出来上がるナノ構造体の形や大きさを自由に変えられるということです。ナノ構造体の形には球状、棒状、ベシクル(二重膜)状などがあり、それぞれの形に応じた機能特性が備わっています。これらのナノ構造体は、将来的にナノファイバー型の金属触媒やナノカプセル型の医療材料などへの応用が期待できます。

tomoyasu2今回、3つの大会でこれらの賞をいただけたことは大変光栄であり、今後の研究の自信にもつながりました。学部4年生の頃は全く成果が得られず、失敗の連続で、落ち込む日々が続きました。それでも諦めず、粘り強く研究を行ってきた積み重ねが、この時期になってようやく実を結んだのかなと思います。最後になりますが、私を熱心にご指導してくださった杉原伸治准教授をはじめ、研究室のメンバーに深く感謝致します。

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