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情報処理学会北陸支部において「優秀論文発表賞」4論文同時受賞。

工学部知能システム工学科、工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻

近藤 太樹(工学部知能システム工学科 4年次)、牧野 潤(工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻 博士後期課程)、北川 尚希(工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻 博士後期課程)、高橋 航(工学部知能システム工学科 4年次)

情報処理分野に関する新たな展望を図ることを目的とした、「平成22年度電気関係学会北陸支部連合大会」では、協同主催者である情報処理学会北陸支部が、およそ350件の学生論文発表から優秀発表者の5名を選出します。今回の大会では、小高研究室所属の学生が論文発表をした結果、350件のうち5受賞のなか、4受賞を獲得しました。

本学工学部では最先端の工学技術の継承と新しい工学教育を効果的に進めるために、各学生が自分の興味・関心から題材を決め、その解決の方法を自分で模索する創成型教育を中心とした機会を多く持ってきました。自分自身のプロジェクトとして研究を進めながら、継続的に創造力と実践力を育む教育を実践してきました。こうした学部1年次からの教育取り組みが今回の4受賞の背景にあるのではないかと考えています。

受賞した研究内容

『テキストマイニングを利用した対話エージェントシステムの構成』
工学部知能システム工学科 4年次 近藤 太樹
人がプログラムと対話を行う場合に、より自然な対話ができるようにシステムを追求しました。チャットボットと言われる対話の応答パターンが蓄積され、パターンマッチングにより会話を成り立たせるプログラムがあるが、その対話データの作り方を変え、ウェブ上で実際に行われている大量のデータを記憶させると、どのように対話の返答が変わってくるのかを検証した。学習した文章をそのまま返答するので、出力させる文章が自然な場合もあったが、多くの情報を記憶させるとあらゆる対話に対応できるかというと、うまく働かないことがこの実験により判明しました。

『DTIハブの実装方法の検討』
工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻 博士後期課程 牧野 潤
ネットワークのハブ(接続装置)にDTI(Dynamic Traffic Inspection)ハブと呼ばれる通信のやりとりを監視するシステムを取り付けることで、パソコンの中でウィルスの検索などをするファイアーウォールよりも前に、ネットワークに被害をもたらす可能性を強制的に遮断することができます。研究ではこのDTIにルールベースを与え、監視・切断の動作を行えるプログラムを持たせました。切断プログラムはルールベースを1秒ごとに更新するように設定したので、ネットワーク管理者は、ルールベースの変更を行う必要がなくなり、負担が軽減されるというシステムを構築することができました。

『実時間エキスパートシステムによる純正律音楽の実現方法』
工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻 博士後期課程 北川 尚希
ピアノやヴァイオリンといった楽器の多くは1オクターブ12音と決められ1つ1つの音の間隔が等しい平均律が用いられています。ところが、この音律では和音によって”うなり”が生じてしまいます。例えば「ド、ミ、ソ」の和音の場合、うなりをなくすためにはドを基準にし、ソをすこし高め、ミを低めにする必要があります。そこで、とられるのが純正律と言われる音律で和音を完全に協和させる方法ですが平均律と純正律のHzの違いはわずかであり楽器で演奏するのは難しいことがあります。

実験ではピアノキーボード(MIDI)を弾き、その音が出る傍からリアルタイムに解析し、あらかじめ提示している根音の和音にピッチコントロールをかけ、純正律の音がでるようにしました。純正律の協和は天国の音と表する人もいるぐらいの響きを生みますが、通常、楽器で演奏できないものなのでそれを可能にしました。

『SSHポートへの攻撃に対するハニーポットを用いた観測と分析―Wimax回線と光回線を対象として―』
工学部知能システム工学科 4年次 高橋 航
ネットワークの上にセキュリティガードが甘いコンピューターを置くと、不正侵入者やウィルスといったものが引き寄せられてきます。ハニーポットとは、セキュリティを緩く見せかけることで、ネットワークの不正侵入者やウィルスをおびき寄せ、観察することでネットワークセキュリティの対策や傾向を練るのに役立てられています。福井市の街中でもみられる無線を使った高速回線Wimaxと従来の光回線との危険度の違いをハニーポットで調べました。両方とも一週間ぐらいで5000回ぐらいの攻撃が確認され、ネットワークの危険性を示しました。

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