日本ユネスコ協会主催のユース・スタディー・ツアーに参加して、8月2日~17日に、私はベトナムに行ってきました。ツアー参加者は日本人が14人、全国のユネスコ協会から集まった高校生と大学生、ベトナム人が10人、ハノイのユネスコ青年団で全員大学生。今回のツアーの目的は、ベトナムにおけるユネスコ・世界寺子屋運動の支援先や、世界遺産、少数民族の住む地域を訪問、見学し、人々との交流を通じてベトナムの文化や歴史、人々の生活、識字教育の現状と支援に対し理解を深めること。
ハノイでハノイユネスコ青年団と合流し、夜行列車でおよそ8時間かけて、ベトナム北部にある、中国とラオスの国境に接する省である、ライチャウ省のムンソー村とホータウ村という、二つの村を訪問しました。それぞれの村の寺子屋の授業風景を見学したり、現地の少数民族の方々と文化交流会を行ったりしました。寺子屋の現状について紹介したいと思います。
まず、8月8日、ホータウ村の寺子屋の授業を見学しました。この時、行われていた授業は中学生の物理。教師が黒板に図を書いて説明し、机には鏡などの実験道具が置かれていました。生徒が教科書を読み、グループで話し合いをするなど、日本の授業の様子と近いものでした。生徒の様子は、見学者がいて緊張していたためか、授業中、必要なとき以外口を開く生徒はいませんでした。学ぶことに対して真剣な姿勢に驚きました。
次に、8月11日、ムンソー村の寺子屋へ行きました。この日の天気は快晴。気温はおそらく35度以上。教室には冷暖房器具はありません。ある意味、汗との戦いでもありました。私たちが見学していた授業では、ゴムの木の栽培方法が教えられていました。生徒の年齢は18から22歳。寺子屋では識字教育が終わると職業訓練の授業があり、教えているのは公教育の先生だけでなく、それぞれ専門の技術者もいました。また、この村では来年、ゴムの木の栽培が始まるそうです。学んだことがすぐに地域の生活向上に活かされているようです。私が出会った寺子屋に通っている生徒のほとんどが、昼は家の手伝いや畑仕事のため、寺子屋には夕方から来るのが普通だそうです。やはり、ホータウ村同様、一番印象に残ったのは真剣に学ぶ生徒の姿勢でした。私たちは、学ぶことのできるありがたさを忘れてしまっているのかもしれません。
今回スタディーツアーに参加し、日本とは違う生活文化に触れ、多く人々と話せたことは、とても貴重な経験でした。