本学産学官連携本部の堀 照夫客員教授が第14回 福井県科学学術大賞の特別賞を受賞し、2月10日(日)に、西川一誠福井県知事より表彰されました。
この賞は、福井県内において科学技術の開発または学術研究で特に顕著な功績を挙げ、福井県の発展に貢献した者を顕彰することを目的とし、“福井県版ミニ・ノーベル賞”と呼ばれています。
業績名「超臨界二酸化炭素を用いる染色・加工の研究に関する貢献」
従来の染色技術では避けて通れなかった大量の廃液、廃熱といった環境負荷を低減しつつ、耐久性が高い染色加工方法を研究開発しました。この手法は、密閉容器に二酸化炭素を入れ高い圧力をかけ、液体でも気体でもない超臨界状態にした中で染色するもので、ポリプロピレンなど合成繊維の染色も安定的に行うことができます。また、染色だけではなく、撥水性、抗菌性といった機能性を繊維に付与することができます。繊維に金属めっきの加工ができることから、近年加速しているウェアラブルの分野においても注目されており、繊維のもつ柔軟性を多方面で活かせる革新技術として、世界的な普及が期待されています。
受賞した堀客員教授は「染色加工をおこなっているアジア諸国は染色に必要な大量の水をくみ上げ、地盤沈下が起きています。地球環境に貢献できる技術として展開していきたい」と抱負を語りました。