本学産学官連携本部は地域知財を通した知と技の融合・連携づくりを目的に第9回「ふくい知財フォーラム」を開催し、県内企業24社から83名が参加しました。
開会の挨拶で、研究担当の岩井善郎理事・副学長は「地域への貢献や連携の在り方、大学の知的財産活動が本格的に始まって15年になりますが、今後、研究事業を知的創造アクセスに結び付けることが重要になってきています。知財活動に関する思いを共有させていただきたい」と述べました。
参加企業を代表して株式会社アイテックの黒田一郎取締役会長が「大学はイノベーションの拠点だと感じます。いろいろな企業や人が交じり合い化学反応を起こし、イノベーションを起こしてほしい」と期待を込めました。
講演では、近畿経済産業局 地域経済部 産業技術課 知的財産室の田中康資工業所有権活用専門官が「近畿経済産業局知的財産室の取り組み」と題し、知財に焦点をあてた事業例やシーズを紹介。「知財ビジネスマッチング事業」では中小企業とラインセンサー大企業等の開放特許とのマッチングの仕組みを説明し、県内企業の登録シーズを紹介しました。地域団体商標ブランディング事業については、一般の消費者への認知度を高めることの重要性を強調しました。
続いて、本学産学官連携本部の樋口人志特命教授が「大学・公設試等のリソースを利活用してビジネス創出へ」をテーマに、大学のリソースがビジネスの要素「商品企画、開発・試作、量産化、販売」に繋げるための活用例を説明しました。
講演第1部では、大学のリソースを活用したビジネス成功例の紹介として、「大学との連携による地域技術の事業化と三重大学産学連携認定商品の取り組み」と題し、三重大学地域創生戦略企画室の加藤貴也プロジェクト推進副部門長が講演しました。TLOなどを上手く利用した経緯、CD活動のノウハウや、支援活動のユニークな仕組み、大学のブランドを利用した活動といった、産学連携活動の活性化策のヒントが盛りだくさんでした。
講演第2部では、「川上側企業の知財戦略とは」と題し、株式会社UACJ 技術部知的財産グループの稲林芳人グループ長が講演。UACJの事業内容、保有技術、知財戦略などについて紹介し、大企業の知財部門での実情を、話しました。
このほか、県内各大学高専・公設機関の持つシーズのパネル展示に合わせた情報交換、実施許諾が可能な特許リストの配布もありました。
本学産学官連携本部は知財フォーラムの活動を通じ、地域の大学と企業等とともに、地域知財の高度化を目指します。