今年4月に、学生交換協定を締結した米国ニュージャージー州ラトガース大学のポール・シャロー教授(アジア学科長)より、明治の初め、福井で“お雇い外国人“として活躍したウィリアム・E・グリフィス真筆の史料3点が寄贈されました。本の出版に関する用務が書かれたカードのような簡単なものですが、グリフィスの筆跡を知ることができる史料です。
グリフィスは1871年に福井藩に招かれて来日、その後欧米への日本紹介に大きな功績を残しました。福井との縁は、明治維新前後に欧米に留学して大学を卒業した初めての日本人であった福井藩・日下部太郎が学んだラトガース大学で彼にラテン語を教えるなど親交があったことに遡ります。
この経緯から、本学はラトガース大学と1981年以来交流を続けています。81年、82年には、財団法人日下部・グリフィス学術・文化交流基金の事業として、本学教育学部の舘清隆助教授(当時)と附属図書館の鈴間智弘・平泉浤祥両係長がラトガース大学アレクサンダー図書館にグリフィス・コレクションの調査に赴き、コレクションの一部を撮影、複写して持ち帰り、『グリフィス文書目録稿』(昭和59年)、『グリフィスコレクション概要』(昭和63年)にまとめました。その後、2011年に発見された、グリフィスが福井藩士・由利公正に宛てた手紙(日本語で代筆されたもの)を本学に所蔵していますが、今回の寄贈はグリフィス自身の筆跡になる貴重な史料です。ポール・シャロー教授より上記基金の細谷龍平理事長(本学国際地域学部特任教授)に手渡され、本学図書館で所蔵することとなりました。
【本学とラトガース大学について】
1981年に本学と同大の間で学術交流協定(Agreement for Establishing Scholarly Relations)を締結。両大学間では2016年新たに本学国際地域学部を設置したことも受け、翌2017年に学術交流協定(Memorandum of Understanding to Establish a Program of Scholarly Exchange and the Exchange of Students)を結び直し、さらに2018年4月の眞弓光文学長訪問に当たって学生交換協定を締結しました。