本学総合図書館では、与謝野鉄幹、与謝野晶子、山川登美子ら8人が寄せ書きした扇子が所蔵されています。1900年(明治33年)、鉄幹を講師として開かれた堺市の歌会で書かれたもので、当時作成された8本の扇子のうち唯一現存しているといわれている、大変貴重な一品です。この扇子は、小浜出身で雑誌『明星』の歌人としても名高い山川登美子が所有していたもので、登美子の没後、彼女の実弟と本学の研究者との交流があったことから本学の所蔵となりました。また、登美子が病床の下に隠しながら草稿のために書き記したノート類も所蔵しています。
総合図書館では、来春の新装を記念して、この扇子やノートをはじめ山川登美子にちなんだ品を公開する予定です。また、これらの品が全国的にも注目され、平成20年8月4日発行の朝日新聞「お宝☆発見」に掲載されました。
山川登美子(1879-1909 本名とみ) :
小浜藩歴代の重臣の家柄で、少女時代より和歌を学び、明治33年、梅花女学校の研究生として英語を学ぶかたわら、鉄幹らがおこした東京新詩社の社友となりました。その機関誌『明星』を舞台に晶子と歌才を競い、浪漫主義短歌の進展に大きく貢献した初期の女流歌人の一人です。また、与謝野鉄幹をめぐる恋のライバルとしても知られています。
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