「脳表ヘモジデリン沈着症の新たな診断法の開発」について報道発表を行いました

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脳脊髄神経外科学 菊田 健一郎教授、有島 英孝講師ら研究チームが発表した論文
“Spinal endoscopy combined with selective CT myelography for dural closure of the spinal dural defect with superficial siderosis, technical note”(日本語タイトル:「選択的脊髄造影と組み合わせた脊髄内視鏡検査、脳表ヘモジデリン沈着症に伴う脊髄硬膜欠損を診断するための新たな検査方法について」)が、米国科学雑誌「Journal of Neurosurgery: Spine」(日本時間11月3日)に掲載されました。
これを受けて、松岡キャンパスにて11月14日、菊田教授と有島講師が研究成果の報道発表を行いました。

平成27年7月に国の難病に指定され、日本では報告が100例に満たない稀少疾患である「脳表ヘモジデリン沈着症」は、脊髄硬膜の欠損から脳脊髄液が漏出し、その小さな穴を介して硬膜内に流入した微小出血が原因で、赤血球の破壊産物であるヘモジデリン(鉄)が脳や脊髄の表面に沈着しておき、難聴や歩行困難、ふらつき、認知症などが進行する疾患です。近年、鉄分の沈着を画像化する「脳MRI T2」で撮影することにより容易に診断できるようになりましたが、直径数ミリの穴をMRIで見つけるには限界がありました。有島講師らのグループは、外径0.75mmの非常に細い血管内視鏡を用いて脊髄硬膜を観察する新たな診断法を開発し、硬膜内に小さな穴を発見、欠損部の修復に成功し、患者の症状を緩和することができました。

有島講師は、「この診断法をきっかけに、これまであまり認知されていなかった脳表ヘモジデリン沈着症の病態を広く医療関係者に知っていただき、正確に診断されずに苦しんでいる患者さんを少しでも救うことができれば」と今後の展望を述べました。

研究成果を説明する有島  英孝講師(左)と菊田 健一郎教授

研究成果を説明する有島 英孝講師(左)と菊田 健一郎教授

│ 2017年11月15日 │
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