第8回ものづくり講演会では、NHK名古屋放送局技術部制作技術部副部長 石川一彦氏(「龍馬伝」テクニカルディレクター)が「NHKドラマ「龍馬伝」の制作手法と映像ルック」と題して、「龍馬伝」の時代背景である幕末を映像でどのように表現しているかなど撮影現場のエピソードを交えながら紹介した。
「龍馬伝」で描かれた朝の雰囲気を出すために、コーンスターチを用い、空気感を出す演出方法や今年で55周年を迎えるNHK教育「中学生日記」の制作技法と「龍馬伝」制作技法の違いを知ることができた。役者の感情を表現する照明使いをわかりやすく説明され、中学生日記ではカット割りの手法が使われるが龍馬伝の制作は表情や勢いを連続して表現するため、カット割りはしないなど単にテレビを見ているだけでは、わからないプロの技術を垣間見ることができ、番組への興味が一層わくものであった。 また、チーフディレクター大友智史氏のメッセージでは、『「世界は広いぜよ」というこのセリフだけで龍馬像を描ける気もするが、龍馬の33年の生涯の中で、日々悩み、迷い、進化していった龍馬の人生観を表面化し描くことに面白みを感じている』といった「龍馬伝」の制作にかける思いもきくことができた。