医学部附属病院がタブレット端末で遠隔地からリアルタイムで心電図のデータを送れる「クラウド型救急医療連携システム」情報を公開しました

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医学部附属病院 救急医学 木村哲也准教授らは、最新のIT技術を駆使し、インターネットで大量の情報をやりとりできるクラウドを活用し、心電図のデータと救急患者の画像を現場から病院にリアルタイムで送信できる「クラウド型救急医療連携システム」を構築し、救命率の向上を目的に研究を進めてきました。平成27年2月から救急車に装置を搭載していましたが、今回は小規模な自治体でも運用できる「タブレット携帯型12誘導心電図伝送端末」を開発し、7月4日、報道各社に公開説明会を行いました。

はじめに、木村准教授と医療情報部 笠松眞吾技術専門職員が開発の趣旨や運用内容を説明。その後、福井循環器病院と大野市消防本部の協力により、クラウドサーバーを用いて大野市内の消防本部から送信した心電図と画像を福井市内の循環器病院で受信する実証実験を行いました。

このシステムを使えば、患者さんの到着前に診断が可能になりますが、搬送時間の短縮をめざすものではなく、病院に到着してからの治療をスムーズに開始することを目的としています。心筋梗塞は発症後、治療を開始する時間が120分を超えると生存率が下がるといわれていますが、現場から心電図データを病院に送ることにより、医師の召集や手術室の事前準備などができ、到着後すぐに治療を始めることができます。さらには、タブレット型端末の導入で、救急車搭載型より格段にコストを下げることができ汎用性が高まりました。どこへでも持ち運びができるため、今後は災害時の利用や在宅医療など広域連携や救急医療など様々な応用が期待できます。

木村准教授は「今後は福井県全体にシステムを整備し、全県民の皆さまの役に立てればと考えています」と今後の抱負を話しました。

 

タブレット端末を使って、記者たちに説明する笠松眞吾技術専門職員

タブレット端末を使って、記者たちに説明する笠松眞吾技術専門職員

│ 2016年7月4日 │
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