分子生理学 老木成稔教授、麻酔・蘇生学 松木悠佳助教らの研究チームが発表した論文
“Rectified Proton Grotthuss Conduction Across a Long Water-Wire in the Test Nanotube of the Polytheonamide B Channel”
(日本語タイトル:「ポリセオナミドBチャネル内の水の水素結合鎖を介する水素イオン透過の整流性」)が、米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」(日本時間3月30日)に掲載されました。
これを受けて、松岡キャンパスにて4月26日、老木教授と松木助教が研究成果の報道発表を行いました。松木助教は「細い筒状の構造物を持つ生体物質(チャネル)の中に水分子が一列に並び、この上を水素イオンが流れ、流れる向きによってイオンの速度に差があること(整流性)を世界で初めて解明した」と発表しました。
この解明により、水素イオンの挙動を理解することで、がん治療薬など新たな分子標的薬の設計を可能にしたり、効率良く水素イオンを流せるような膜を燃料電池を開発する研究に応用することができると、今後の可能性について説明しました。