8月1日から8月7日までの日程で、本学教育地域科学部、大学院工学研究科において、「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」事業が行われています。SSHは、文部科学省が将来の国際的な科学技術系人材を育成することを目的に、理数教育の重点校を指定して、高校生が研究開発に取り組んでいるものです。今回、福井県立藤島高等学校の生徒約50名が、生物・数学・地学・物理・化学の5つの分野に分かれて実験・実習を行っています。
8月2日に行われた化学分野のグループでは、「身近なモノを測るには? 〜基礎と応用〜」と題した実験実習に取り組みました。身の回りの環境がどのくらいきれいなのか、あるいは汚れているのか、見た目や臭いで判断できる場合もありますが、ごくわずかな量では正確に判断することはできず、時には極少の有害物質が生体系に悪影響を及ぼすこともあります。このため環境分析では、一つ一つの物質を正確に測定することが第一歩であることから、分析化学の基本である滴定の操作を学習しました。午前の実験では、塩酸とお酢について、水酸化ナトリウムでどのくらいの分量で中和させることができるのか試みました。また午後の実験では、水質の指標の一つである化学的酸素要求量(COD)について学習し、実際に醤油のCODを測定しました。高校生らは、ティーチングアシスタントから実験器具の扱い方や注意点を聞き、慣れない手つきながらも真剣に実験を行っていました。