10月5日、敦賀キャンパス・附属国際原子力工学研究所において、地域の方々にキャンパスを案内する一般公開が行われました。見学ツアーやクイズラリー、実験の体験コーナーなど、原子力の知識を深める企画に約40人が参加しました。研究所で学ぶ学生が、自作のポスターを使って原子力の研究を紹介したほか、沸騰水型と加圧水型軽水炉の模型を展示するコーナーを設け、原子力の仕組みをわかりやすく説明しました。また、3.11以降に関心が高まった防災関連グッズの展示もあり、参加者は非常食の試食や防護服に触れながら、教員や学生に質問をしていました。
続いて行われた原子力安全・防災セミナーでは、原子炉構造システム・廃止措置部門の柳原敏特命教授が「原子力の廃止措置」をテーマに講演。具体例を示しながら、我が国の現状や様々な問題点を説明し、廃止措置工学の体系化の必要性を話しました。参加者からは多くの質問が寄せられ、柳原特命教授は「廃止措置はライフプランの設計が重要で、廃止措置後の姿を描いていくことが不可欠」と強調し、研究所で学ぶ学生も「3.11をきっかけに、廃止措置を考えるようになった。未来に備えるという大きな使命があり、今後も取り組んでいきたい」と話していました。参加者からは「若い学生が原子力について、真剣に学んでおり、ぜひ頑張ってほしい」との声があり、地域の方々とともに原子力の今を考える良い機会となりました。