福井大学地域創生教育研究センターは2月18日、坂井市の福井県産業情報センターで「福井型『新採用学』」の研究報告会を開催し、県内企業の経営者や採用担当者 約70名が参加しました。
地域創生教育研究センターでは、福井県の協力を得て平成29年度から3カ年の計画で「福井型『新採用学』研究会」の活動を推進。福井の仕事や企業の魅力を若者に伝え、若者が福井に魅力を感じ、福井で働く若者が増えることを目的に、今年度は「学生を採用するために県内企業は何をすべきか」をテーマに、5回の研究会と3回のワークショップを開き、今回、その成果を報告しました。
横浜国立大学大学院の服部泰宏准教授が「経営とリンクした採用と育成」、同志社女子大学の上田信行特任教授が「INVENTION 自社の魅力を発明する」をテーマに基調講演を行いました。
人材の「採用」に関する科学的アプローチである「採用学」の確立に向けた研究を行っている服部准教授は、就職活動を行う学生ら求職者は「その企業にエントリーするか」「その企業で就活を継続するか」「その企業の内定を受け入れるか」の三つの意思決定段階があると説明。各段階で「自分とその企業が(直感的に)合うかどうか」「仕事内容、給与」「職場環境、配属先、人間関係の親密さ」「就活に関わる手続きの構成さ、自分がその企業に理解されているかどうか」が選択に影響するが、段階によって各要素の影響度合いが変化するとし、「各企業は求職者の心の揺れ動きを理解して、企業のアピールすべき内容を変えないといけない」と話しました。
ユニークなワークショップやラーニングのデザインで知られる上田特任教授は、創造的思考力(Creative thinking)を育て、仕事の経過をフレキシブルに捉え、変化を楽しむきっかけとして、「How creative are you?」と問いかけ、参加者同士で自身の「Creative(創造力)」について語り合うワークショップを行いました。その上で、「Creative」を高めるには「Heartful(ときめき)※上田特任教授による新たな意味づけ」と「Fun(楽しさ)」が大切であり、それには四つのP、「projects(計画)」「passion(情熱)」「peers(仲間)」「play(遊び)」に加えて、創造力を高めるために気持ちを保ち続ける「persistence(やり抜く)」も必要であると説明しました。
最後に、本センターの吉田史朗特命教授から、「平成30年度は企業の皆さまのほか、大学教職員、学生等を巻き込んだ研究活動にしていきたいと考えています」と挨拶しました。