福井大学災害ボランティア活動支援センターでは、災害ボランティアへの理解を深めることを目的に、毎年、講演会を開催しています。今回は、公益社団法人 中越防災安全推進機構地域防災力センター長の諸橋 和行氏を招き、「防災力革命~雪国×災害×ボランティア~」と題した講演会を開催し、一般市民や学生ら約30名が参加しました。
諸橋氏らは、雪害の死者数が全国で152名に上った「平成18年豪雪」で、急速な過疎化と高齢化で地域の担い手がいない問題が表面化したために、除雪ボランティア育成を目指す「雪かき道場」を開始した経緯を説明。当初の目的は、①雪かきに不慣れな人に慣れてもらう②習熟度に応じた作業配分を知る③道場を通じた日頃からの関係づくり―――だったものの、活動を通じて地域の高齢者と地域外の若者らの交流が生まれ、地域を支える“仲間”が増えたことを紹介しました。
また、阪神淡路大震災の死者の9割が家屋の倒壊又は家具の転倒が原因だったことから、「今の防災の落とし穴は、避難訓練や食料備蓄など、生き延びた後のことを考えた防災であること」とし、「人間は、不幸が起きてほしくないと考え、防災は『めんどくさい』『考えたくない』と思うもの。しかし、防災は知っているだけでは全く意味がない。知っていて、行動もできるようになってほしい」と呼びかけました。
参加者からは、「頭では分かっていても、対策の労や費用を考えて後回しにしている自分の姿勢に改めて気付いた」等の声が聞かれました。