2年目を迎えた国際地域学部の教育成果について5月25日、米国のノースイースタン大学教育学習・研究推進センター長 キャシーM. タカヤマ博士を国際アドバイザーとしてお招きし、学部等教員との意見交換を行いました。
国際地域学部の寺岡 英男学部長が歓迎の挨拶後、タカヤマ博士が「学生中心型学習のエコシステムのための制度戦略」と題し、ノースイースタン大学等の取り組みと成果を紹介しました。
タカヤマ博士によると、学生にとって、①メンターの存在、②体験学習がその後の人生において最も重要です。米国には「Cooperative Education(CO-OP教育)」という体験学習の仕組みがあり、日本のインターンシップとは異なり、長期間、企業現場で責任あるフルタイムの仕事を有償で体験し、専門分野に関連した理論と実践を学習し、単位も取得することでキャリア構築を図ります。体験学習を通し、大学も連動して作り上げた教育システムを「エコシステム」と呼んでいます。
タカヤマ博士はさらに、2018年に導入する「SAIL(Student Assessed Integrated Learning)」という方法を紹介、柔軟性・グローバル・社会参加・専門性・人間性の5つのカテゴリーに企業の特質を区分して、学生がアプリケーション上で体験学習し、学生自身の知的スキルと実践スキルを視覚的に評価することで自分の弱みを主体的に学びます。
「学生は大学のパートナー」とタカヤマ博士は強調、個々のカリキュラム設計や留学生による留学生のためのプログラム開発が重要と説明しました。出席した教員からは、「『CO-OP』教育で、教員はコーディネータなのか」「教員の役割はどう変わったのか」など、活発な質疑がありました。
続いて、国際地域学部の教員が、授業科目やカリキュラムの改善のために調査した「学生からの授業評価」の結果や、課題探求プロジェクトの取り組みについて報告し、意見交換を行いました。学部生との歓談も行われ、「留学先で、自国のアイデンティティを語る外国人を見て英語を学ぶ自分の役割を認識した」と学生から体験談が出るなど、和やかな中にも熱気ある交流会となりました。
タカヤマ博士はブラウン大学在籍時の2013年6月にも本学の教育を視察し、世界水準との比較や将来のあり方についてアドバイスしていただきました。