福井大学の特色の一つである「子どものこころの発達」に関する研究を、教員養成にどう応用していくか、工学的研究がいかに活用できるかを考える公開シンポジウム『~子どものこころの先端研究と抜本的教育改革を結ぶ~』が3月6日に、学内外の教員、医療関係者や一般の計150名が参加して本学総合研究棟Ⅰ会議室で開催されました。
元文部科学省高等教育局長の徳永 保筑波大学教授が「教育への応用を目指す脳科学研究とその成果を踏まえた教員養成教育への期待」をテーマに基調講演し、「子どものこころの発達研究センタ―、教育学部、工学部等の研究者が共同研究を進め、教育に関する新たな研究分野を拓き、学校教育の在り方の積極的な提案を期待する」と述べました。医学系で実施している脳科学研究や情動研究、教育系で実施している実践的教師教育研究、工学系で実施しているビッグデータ活用の現況についてそれぞれの研究者から報告があり、これからも医学部、教員養成学部、工学部を擁する本学の特性を生かし、子どものこころの発達の科学的解明と、こころの発達に問題を持つ子どもに対する教育法の開発や優れた教員の養成を全学的に進めるとした医工教連携の方向性と展望を示しました。
閉会挨拶で子どものこころの発達研究センター前センター長で大阪大学の佐藤 真教授(福井大学特任教授)が、「福井大学で子どものこころの発達研究センターが走り出してよかった。本シンポジウムは先を見通したプログラムであり、教育学部がない大阪大学では実践できない。脳科学の研究成果を教育へ実践が出来ること、行政とのつながりが良好であることが福井大学の強み」とエールを送りました。