中井 國博 先生

医学部附属病院形成外科
中井國博先生

病後の暮らしをよりよく過ごすために

機能と形態をよりよく整える

平成25年7月、医学部附属病院に形成外科が新設され、それに合わせて赴任してきました。形成外科は、病気やけがなどによって欠損、または変形した身体の組織を「機能的」にも「形態的」にもより自然に近づけることを目的として治療する診療科です。

やけどやけがに伴う組織欠損や変形、皮膚や頭頸部のがん、乳がんなどの切除による組織欠損や変形、生まれつきの先天的な組織欠損や変形、眼瞼下垂など加齢による変化まで全身のあらゆる臓器を対象としています。個々の患者さんによってこのような欠損や変形の症状や状況は様々です。治療によって、患者さんの持つ機能を最大限に回復させ、見た目にもより自然に近づけることで、生活の質の向上を目指します。

女性らしさを取り戻すための「乳房再建術」

teach_nakai02形成外科の幅広い領域の中で、私は乳がんで乳房を失った患者さんのための乳房再建術を専門としています。乳がんにかかる患者さんの年齢層は幅広いですが、どんな年齢であっても乳房を失う喪失感は大きいと考えます。また、がんの治療を終えて日常生活に復帰したとしても、「外に出たくなくなった」「子どもと一緒にプールに入れなくなった」、「温泉や公衆浴場などに入りにくい」といった日々の暮らしの中での悩みが多く聞かれます。乳房再建術は、病後の人生をよりよく過ごすために「乳房を取り戻したい」という希望に応えるためのものです。現在は、自分の体の一部を移植する方法と人工物(インプラント)を用いる方法が行なわれています。どの手術も一長一短があり、患者さんの希望に添えるよう十分に話し合った上で治療を行います。

しかし、手術後、痛みが生じたり、感覚が鈍くなったり逆に過敏になったりといった後遺症が出ることもあることがわかってきました。私はそのような術後のトラブルの原因を探り、その対応法の研究にも携わっています。

豊富な知識と繊細な技術で要望に応える

形成外科は、生死に関わる症例は少ないですが、患者さんは先天的な奇形・病気による手術、ケガにより機能を失い、不便な生活を強いられています。私は形成外科医として、患者さんに残されている機能を最大限活かし、その機能向上と形態をよりよいものにという思いで、知識と技術を学んできました。それでも、手術後に患者さんから「もう少しこうしたかった」というご意見をいただくこともあります。手術でできることは限られていますが、手術や治療の前には患者さんと向き合い、ほかの医師にも意見を求めたりしながら双方が納得することが重要であると思います。患者さんが安心して治療に望めるよう取り組んでいきたいです。

今ハマっていること★

teach_nakai03子どもたちの保育園時代からPTA活動にハマり(ハマらされ?)、今年はついに中学校のPTA会長にハマってしまいました!