川口 めぐみ 先生

医学部看護学科
精神看護学領域
川口 めぐみ先生

家族の元気が、患者さんの治療や暮らしを支える

  • 医学部看護学科精神看護学領域(精神看護学、統合失調症)
  • 川口 めぐみ 先生

100人に1人がかかる統合失調症

統合失調症は、幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲の低下などの「陰性症状」、臨機応変に対応しにくい「認知機能障害」などが特徴的な症状の精神疾患です。症状の進行に伴って、「自分が病気である」ということが自覚できなくなり、日常生活が困難になります。100人に1人がかかるとされている頻度の高い病気で、原因は、明らかではありませんが、ストレスに対するもろさや環境、遺伝的要因など、いくつかの要因が合わさって発症すると考えられています。10代後半から20代で多く発症し、急性期と休息期を行き来する慢性的な経過をたどります。

治療には長い期間を要し、治りにくい病気と考えられていましたが、現在では、治療効果の高いさまざまな薬剤が開発され、早期に薬物治療を適切に継続し、生活能力を高めるリハビリを並行して行うことで、地域の中で日常生活を送ることが出来るようになってきています。医療者は、治療をしっかり行うと同時に、患者さんが再発を繰り返しながらも、根気強く治療に取り組めるよう、家族を含めて支えることが非常に重要です。

病気を持ちながら、地域で暮らすために

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若い患者さんのお世話をするのは、主に親になります。しかし、親は、自分の子どもが病気になってしまったという絶望感や自責感、将来に対する不安などさまざまな思いを抱えています。これまでの研究で、統合失調症の患者さんをお世話している親の負担感について調査をしたところ、親が子どもの病気に対して「あきらめ」や子どもを「回避」しようとする気持ちが生まれてくると、負担感を大きくすることが明らかになりました。

看護師は、患者さんやその家族と悩みを打ち明けてもらえるような関係づくりに努め、家族が、先が見えなくなって「あきらめ」たり、患者さんを「回避」してしまう前に適切なサポートをする必要があります。病気に対する地域の理解を促進し、福祉サービスの活用など地域の中で患者さんが病気から回復できる力を発揮できるように基盤を整えることも大切です。

私は、これまで「負担を減らす」ということを考えて、研究をしてきました。しかし今後は、少し視点を変えて、親を含めた家族全員がストレスを乗り越えていく力をつけることが、患者さんにも良い影響を与えるのではないかと考え、そのような看護支援プログラムを構築したいと考えています。

自分の心の健康に気を配る

「精神疾患は誰もがかかる可能性のある病気」であり、「早期発見、治療により地域の中で日常生活を送れるようになる疾患」であることを知ってもらうことが、地域が患者さんを受け入れるために重要だと考えています。看護学生さんには、今後病気について広く知ってもらえるように働きかけていってもらいたいと思います。また、患者さんやその家族をサポートするためには、自らが心身ともに健康であることがとても大事です。自分の健康を第一に、その上で患者さんや家族に元気を与えられるような看護師を目指してください。

今ハマっていること★

P10_03昨年の家族との長野旅行をきっかけにアウトドアにハマっています!とはいっても、今年はまだキャンプ場にある家電付きのバンガロー泊というビギナーですが、今後テント泊やアウトドアクッキングに挑戦したいです。