羽田野 慶子 先生

教育地域科学部
地域科学課程 人間文化講座
羽田野 慶子先生

「教育・生涯学習」から ジェンダー平等を目指す

私は、社会的・文化的に作られる性差「ジェンダー」を教育・生涯学習の側面から研究しています。研究のきっかけは、高校時代に持った違和感です。当時、家庭科の授業や避妊・妊娠中絶などの性教育を受けるのは女子だけでした。男女が共に責任を持つべきことなのに、なぜ女子だけが学ばなければならないのだろう?このような疑問を抱いたことが、男女間の差別・格差が生み出される原因や、その是正方法を研究する端緒となりました。

女子学生が中心となり、子どもたちに向けワークショップを実施

女子学生が中心となり、子どもたちに向けワークショップを実施

教育は本来、男女平等に寄与すべきですが、先ほどの例のように、実は差別を温存し、再生産する面も持っています。また、女性たちが本当に差別に直面するのは、学校を卒業して社会に出てからです。福井は働く女性が多いことで知られますが、女性管理職は少なく、男性の家庭参加も十分ではありません。こうした状況を少しでも変えるため、大学の授業では、女性の社会進出や男性の家事・育児時間などのデータをもとに、どうすればジェンダー平等が実現できるかを問いかけています。

また、生涯学習の専門科目では、「福大EMP(Enjoy Mytown Project)実行委員会」を組織し、行政や市民団体を巻き込み、学生らが主体的にまちづくりに携わることができるよう支援しています。EMPでは、歴代のリーダーがすべて女子学生です。学生時代に女性が組織をリードする経験を持つことで、女子学生には、社会に出た後も率先して組織を引っ張っていくマインドを、男子学生には、女性が活躍することが当たり前のこととして捉えられる価値観を育てたいと考えています。

人生で様々な岐路に立つ女性たち

EMPが主催した福井駅周辺のまちあるきツアー

EMPが主催した福井駅周辺のまちあるきツアー

大学以外でも、地域の方々のキャリアアップに関する支援を行っています。女性は生涯で、夢やキャリアを諦めざるを得ない様々な岐路に遭遇することもあります。例えそのような岐路に立ったとしても、女性が自身の道を、社会的・経済的に自信を持って踏み出せるような支援が生涯学習に求められています。現在、多くが女性である福井市内の公民館主事を主な対象とした長期研修プログラムを実施していますが、これも働く女性たちの専門的力量の向上を支援する生涯学習の一つです。

「外」に目を向け、可能性を広げよう!

学生の皆さんには、学外・県外・国外と、とにかく「外」に目を向けて欲しいです。小さいコミュニティには、居心地の良さもありますが、変化を恐れては成長できません。異なる価値観に触れ、自分の常識が覆される心地よさを、是非体感してほしいと思います。それが、自分自身の可能性を広げ、行き詰った時の突破口になるはずです。

今ハマっていること★

teach_hatano4旅行が好きで、最近はガイドブックを見ながら、頭の中でよく旅行計画を立てています。今は沖縄や台湾、屋久島などに興味を持っており、現地のおいしい食べ物などを探しています。おすすめがあったら教えてくださいね!