教育における非言語行動
- 教育学部(教育行政学、教育経営学)
- 大和 真希子 先生
- 研究者詳細ページ
「教師」という職業
「教える」とはどのようなことなのか?先生とはどのような人たちなのか?この疑問が、「教育」に興味をもつきっかけとなりました。教師はどのような環境で働いているのか、どのように成長し、職業能力を獲得していくのか、またどのような法律や制度があって学校が存在しているのかを追究しながら、教師が「教師」という役割をどのように演じているのかを研究しています。その中でも、教師のコミュニケーションにおける非言語行動が私の研究関心の核にあるといえます。
非言語行動には、笑い、怒り、沈黙などの表情、話し方、身振り手振りなどの所作があります。これらが、時として、教師が発する言葉よりも子どもたちに多くのメッセージ性を含み、影響力を与えることがあります。
非言語行動が生み出す効果
例えば、授業では、核心の部分について教師が明示してしまうのではなく、発問し、あえて沈黙の時間を作ります。そうすると、子どもたちはそのことについて考え、自分たちで自分なりの答えを導き出そうとするのです。教師が「黙る」ことに、強いメッセージ性があると子どもたちが感じとるのです。これは、「沈黙」がもつ効果だと考えられます。
教師の様々な非言語行動の発信により、受け止める側(子どもたち)の捉え方も変化するし、その変化に対応して、また教師の発信方法も変わります。そのような教室での応答関係にも改めて目を向けていきたいと考えています。
すごくおもしろいな、と思うのは一生懸命教えようと多くのことを話しても伝わらないときがあり、一方で何気ない表情や行動が伴ったときに、子ど もたちがより理解を示すときがあるということです。これも、マニュアルでは通用しないことがあり、子どもたちがどのようなことに反応するかは未知数 でなかなか不条理な要素をもつ教育の醍醐味なのでしょうね。
授業は、単に一方的に何かを教わるだけではなく、「学ぶ楽しさ」を知る場です。そのことを教師がいかに子どもたちに伝えられるか、非言語行動が どのように関わってくるのかを捉えたいと思います。
「教える」現場
今後、様々な非言語活動について分析を進め、先生方に現場では気づかない点を私なりに伝えたり、教職がコミュニケーションを核にした魅力的な職業だということを理解していただいた上で、時々、教職という仕事を客観的に意味づけするお手伝いをしたいと思っています。
福井大学で教職を目指す学生さんには、ぜひ学生時代にいろいろな「生」の体験をしてほしいですね。「いい先生にならなきゃ」などと決して焦らず、多くの人と出会い、様々な生き方があることを知り、その経験を教育現場で活かしていってほしいですね。
今ハマっていること★
アジア雑貨が大好きです。仕事で中国や韓国に行くと、空き時間についつい目的もなくぶらぶらと街を歩き、雑貨屋さんで買い物をしてしまいます。小箱に書かれた韓国語は、模様のようでかわいいですね。・・・最近では、香港の街並みでエネルギッシュに動く人たちをみているだけでもすごく楽しくて、仕事にあまり身が入らないのが悩みです。