REPORT10福井大学SDGs推進室
キックオフシンポジウムに参加

 2月9日、学内のSDGs推進のため、SDGs推進室キックオフシンポジウムが開催され、私たちも参加しました。
 シンポジウムでは、ボルネオ島マレーシア領で野生動物の保護活動を行う認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン理事兼事務局長の青木崇史さんが「サステナブル思考で変革する組織~SDGsの浸透に向けた取り組み~」をテーマに講演を行いました。
 青木さんは経済、社会、環境の3つをキーワードに「SDGsの17の開発目標は、一体となって進めることで持続可能な開発につなげていくもの」と話し「SDGsの達成は、経済、社会、環境をよくするための通過点で、自身のため、子や孫のため、周りの人のために持続的に取り組む必要があります」とSDGsの重要性について呼びかけました。
 講演後は、私たち学生を交えて意見交換会を行い、学生がどの様にSDGsに関わるべきかという問題意識に触れ、活発な議論を交わしました。

 

ONE MORE ACTION

青木さんの活動に興味を持った私たち。さらに詳しくお話を聞きたくて、インタビューを行いました。

INVESTIGATE ▶1 ――― NPO法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン

野生動物の生態系を守りたい

取材対象者 〉〉青木 崇史さん(NPO法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン 事務局長)
探究者 〉〉増田 葉月(国際地域学部3年)

 

 ボルネオ島では、パーム油を生産するため、過去数十年間でアブラヤシプランテーションを開発し、熱帯雨林の伐採が進んでいます。パーム油は食用油や洗濯洗剤の原料として使われていて、私たちの生活になくてはならないものになっています。しかし、広大な熱帯雨林を必要とする野生動物たちにとって命の危機が迫っています。
 NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンはこのような現状のボルネオ島に着目。ボルネオ島北部、サバ州内を流れるキナバタンガン川沿いにおいて保護区と保護区の間に残る熱帯雨林を所有者から買い取って保護することで分断されつつある森をつなぎとめ、野生動物の生息地を守る取り組みを行っています。「熱帯雨林と生態系を守ると同時に、パーム油を生業にする現地の人たちの雇用も守りたい。人間と動物が共存できる未来を創るため活動し続けます」と青木さんは熱く語りました。
 最後に、私たち学生にできることは?とお聞きすると「一人の消費者として責任を持つこと。買い物する際に商品がどこからきて、誰がつくったのか。また、捨てる際にはどこに行くのか。商品や企業に関する情報を調べたうえで選択することが地球を守る一手になると考えます」とアドバイスをいただきました。

MASUDA’S STEP UP

青木さんにお話をうかがって、熱帯雨林の生態系だけでなく現地の雇用も守る活動が多くの方に理解されることで、地球全体の環境に対する意識向上につながるのではないかと思いました。取材後に消費者の責任について考えてみると、私はコスパのみで商品を選びがちでしたが、企業の取り組みで商品を選択する必要性を感じました。