REPORT05まつや千千

SDGsは笑顔に繋がるもの。
お客様もスタッフも子どもたちも

取材対象者:伊藤 理恵さん(まつや千千 若女将)
探究インタビュアー:増田 葉月(国際地域学部2年)

増田 まつや千千さんでは、「おもてなし」を大切にされているとお聞きしています。私の普段の生活ではあまり経験のないことなので、実際にどういうことをされているのかお聞きしたいです。
伊藤 「おもてなし」というのは、お客様の心に寄り添って、お客様の立場になって考える、ということです。例えば、ロビーで迷っていらっしゃるなら「どちらかお探しでしょうか」とか「私どもでお手伝いできることはございませんか」とこちらから自然に声をかけます。お客様のほうから「すみません、大浴場はどこですか」と聞かれる前に。今はマスクで顔が隠れて表情がわかりづらいので、心からの笑顔で接することも、受け身ではなく一歩お客様に寄り添うことに繋がると思います。
増田 おもてなしを修得するのは、きっと時間がかかりますよね。

伊藤 当館には『おもてなし三原則』
という指標があります

笑顔や気配り、サービスを通してほんとうに出来るようになるには時間がかかるかもしれません。でも、入社2年目、3年目のスタッフでも、しっかりできる人も多いですよ。お客様は、まつや千千さんは自然体がいいよね、ぐいぐい感がなくて、ほっとして心が落ち着く場所だと言ってくださいます。評価をもらうのがおもてなしではないのですが、励みになりますね。
増田 旅館業は24時間営業ですから、気が抜けませんね。
伊藤 当館は常に現場主義。従業員はパートの方までいれると100名近く、お客様も多い時で300~400人くらい滞在されます。チェックアウトするお客様の朝のお見送りは、午前9時くらいから、雪の日も雨の日も行います。午前11時から昼の1時くらいまでは、その日に宿泊されるお客様の準備です。仲居さんの割り振りや、食事場所の係などを決め、常連様がお泊りになる場合は、こちらで把握しているお酒やお食事の好みに合わせた細かい指示を女将がやります。午後3時くらいからお客様のお出迎えがはじまり、夜6時にお食事がスタート。お祝いで来られているお客様へのご挨拶や記念品のお渡し、常連様へのご挨拶などが続きます。私には子どもが4人いるので、合間合間に子どもたちの世話も。
増田 すごいスケジュールですね。それにたくさんのスタッフの管理も大変そう。
伊藤 うちの良いところ、悪いところを知っているのは、ご宿泊されたお客様です。ですから、お客様アンケートをもとに、いいところは褒め、悪いところは関連する部署と話しあって、原因を探り対策を講じます。アンケートは毎日チェックします。1週間放っておくと、お客様に1週間ご迷惑をかけることになりますから。
増田 おもてなしのほかに、どんなSDGsに繋がる取り組みをされているか教えていただけますか。
伊藤 地域に貢献する地産地消には特に力を入れています。お客様に提供する料理は、福井県産のお米はもちろん、海や山の食材をふんだんに使う。地酒の提供にも力を入れて、県内に30ある酒蔵のうち、約半分のお酒を冷酒グラスでご注文いただけます。
増田 料理のメニューは、どんな風に考えているんですか?
伊藤 最近人気の料理プランがあるんです。若いスタッフたちが考えた「お肉たっぷりプラン」。福井県は魚介が美味しいけれど、若狭牛や福井ポークなどお肉もおいしい。メインのお鍋がしゃぶしゃぶで、鉄板のステーキ、ローストビーフもセットにしたプランです。締めにソースかつ丼を考えていたのですが、さすがに食べきれないということで白いご飯になりました。
増田 そのプランいいですね。ぜひ食べてみたいです。
伊藤 学生の視点で料理プランを考えると、新しい人気プランが生まれるかもしれませんね。

増田 おすすめの観光スポットもめぐって、
まつや千千さんに宿泊して、
福井のごちそうを食べる
「オール福井SDGsプラン」とか。

伊藤 いいですね。そう、楽しくなければ考えられないでしょ。
増田 楽しいと言えば、「ペンギンハウス」ってかわいい名前ですね。
伊藤 社員寮に併設されている託児所です。旅館業は24時間営業ですから、従業員やスタッフの健康や働き方にも注力しています。お子さんを朝の6時から夜10時まで安心して預けられる場所で、楽しいイベントも定期的に開催しています。
SDGsは笑顔に繋がるもの。お客様はもちろん、スタッフも未来ある子どもたちの笑顔のために、これからもSDGsの取り組みを拡げていきたいと思います。