SDGs最初の一歩!未来の地球のために私たちができること

Climate Clock(クライメイト・クロック)をご存じですか? 二酸化炭素排出量をもとに計算され、世界の平均気温上昇を1.5度未満に抑えられるまでの期限を刻むこの時計は、1999年にニューヨークのユニオンスクエアに掲示されたアート作品にはじまり、2020年9月19日にWeb上に設置されました。本稿作成時(2022年1月25日)でのデッドラインは7年178日19時間55分02秒。あと約7年で、熱波や洪水、干ばつ、森林火災、水資源の枯渇など、地球はさまざまな災害に見舞われる可能性が高くなることを示しています。国や企業まかせではなく、今、私たち一人ひとりにできることがあるのでは? 20歳の環境活動家・露木志奈さんと、学生広報スタッフの桝井聖佳さん、三井秀香さん、野澤楓さんが同世代のリアルな思いを語り合いました。

CLIMATE CLOCK
※表示時間は取材時のものです。
https://climateclock.world/

  • 桝井聖佳さん
    MASUI Kiyoka
  • 国際地域学部3年
  • 多様性やLGBTQに興味がある。将来の夢はラジオのパーソナリティーになること。

  • 三井秀香さん
    MITSUI Hideka
  • 国際地域学部4年
  • 旅行や古着屋巡りが好き。日本に留学、移住する外国人が暮らしやすい環境を作るのが夢。

  • 環境活動家露木志奈さん
    TSUYUKI Shiina
  • 2001年、神奈川県に生まれる。幼い頃の遊び場は中華街。インターナショナルスクール「Green School Bali」に3年間留学し、2018年には、グリーンスクールの仲間たちと、国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)に参加する。帰国後、慶応義塾大学環境情報学部に入学。現在は休学中で、環境活動家として活躍する。これまで日本全国の学校約80校をまわり、2万人以上の前で講演を行ってきた。「Shiina Cosmetics」を立ち上げ、環境に優しいコスメの提案も行う。

  • 野澤楓さん
    NOZAWA Kaede
  • 国際地域学部3年
  • 趣味はヨガや食に関する本を読むこと。海外で日本文化を広めるビジネスをしたい。

私たちが今できること

露木志奈さん(以下、露木)/地球環境のために今できること、みんなはどんなことだと思う?

三井秀香さん(以下、三井)/モノを買うときに、捨てるときのことも考える

露木/いい視点ですね。具体的に言うと?

三井/モノを買う時点で、それが作られるプロセスにおいて、環境に配慮されているか、動物実験はやっていないか、捨てるときの環境への負担も考えられているかどうかなど、その商品のいろんな背景を知って、選ぶときの基準にする。

桝井聖佳さん(以下、桝井)/捨てないモノを買うっていうのはどう? 私はおばあちゃんになってもこの服を着るぞっていう気持ちで服を選ぶ。ファストファッションをたくさん買うのって、結局ゴミを増やすことになりそう。いいモノを長く使うのもエコなんじゃないかな

野澤楓さん(以下、野澤)/私は、買う前に企業のホームページを見て、環境に配慮しているように見せかけるグリーンウォッシングをしていないかチェックすることがあります

露木/私もしてる!してる!企業のホームページのなかで気になることがあったら、面倒なんだけど、質問のメールを送ったりもします。
これはどこで、どうやってとれたものですか?って。商品が出来るところから捨てられるまでの過程を想像することや、実際に見てみることは、環境問題を解決するうえで、とても大事な部分なんだと思う。問題は、ひとつだけじゃなくて、いろんなことが重なって起きている。そこからまた別の問題点や改善点を意識して、行動していく。行動こそが世の中を変えることができるから。

WhatだけじゃなくWhyを伝えよう

三井/私は大学生になってから環境問題に興味を持ち始めましたが、友だちや周りの人たちが関心を持っているかわからなくて。なので、大学にSDGsに興味がある人が集まるサークルとか、コミュニティがあったらいいなと思う

露木/コミュニティがあると、活動のきっかけになるよね。でも、友だち同士だったら、例えば、「ヴィーガンに興味ある?」とか、率直に聞いちゃえばいいと思うよ。家畜が排出するCO2が大量だとか動物性食品を製造するために多くの資源が使われることで環境問題に深刻な影響を及ぼしているとかいった話はひとまずおいておいて。私はおいしいヴィーガン料理を友だちに食べてもらって、「実はこれ、ヴィーガンなんだよ!」ってサプライズするのが好き

桝井/サプライズされると楽しいし、自分もやってみたくなる!みんながそんなふうに情報発信すれば、広がっていくかも

露木/みんなはSNSで情報発信することはある?

野澤/情報を得ているけれど、率先して発信はしていないです

三井/でも、野澤さんはスイスに行ったとき、コンポストについて発信していたよね?

野澤/スイスでは、生ごみを堆肥化するコンポスト用の回収箱が街のゴミ収集ステーションに置かれていました。回収され処理場で堆肥になりますが、別に環境への意識が高い人だけじゃなく、普通にみんな、生ごみはそこに入れていたから、いい取り組みだなあと思って

桝井/友だちの「やってよかった」とか「これいいよ」っていうコメントは参考になる

露木/インフルエンサーもそうだけれど、個人が発信する小さなメディアがマスメディアより影響力を持つ場合もあります。SNSの活用は、何かを知ってもらう手段として有効だと思いますよ

三井/情報をどう受けとるか、という意味では教育も大事だと思う。食料の重さと輸送距離を掛けた数値が大きくなるほど環境への負荷が高くなるフード・マイレージの問題がありますが、それを知っているだけで、賢い選択ができそう

野澤/露木さんの講演で焼き畑農業の話がありましたが、私も学校で習ってその存在は知っていました。でも、なぜ問題なのかは教わっていなくて。物事を暗記するんじゃなくて、本質を学ぶべきだなと思いました

露木/今、しきりにSDGsが謳われているけれど、あの17項目の目標を知っていることが重要なんじゃないし、暗記する必要もない。SDGsの考え方やあり方、なぜ取り組むのか?を学んだり、考えたりしないと意味がないと思う。SDGsって言葉だけを使いすぎると、軽くとらえられちゃうかなって感じることもある。

楽しい気持ちがあれば環境活動は広がっていく

野澤/私は今、環境とからめたテーマで卒論を作成中です。環境問題は義務感のような発想になりがちですが、アイデア次第で楽しんで取り組めることを伝えたいです。今まで廃棄されていた製品や原材料を資源と考える循環型経済「サーキュラーエコノミー」をテーマにしたいと考えていて、破棄寸前の食材を使ったレストランの提案だったり、アイデアを出すのも楽しいです

桝井/私はSDGsとからめた平等やジェンダーの問題、メンタルヘルス、服のリサイクルなどいろいろなことに興味があって、卒論のテーマは悩み中。留学生と話をすると、国によってジェンダーや人権問題のとらえ方が違っていて、それも気になっています

野澤/北欧やヨーロッパに留学したときは、同性愛のカップルもオープンな感じだった

露木/私が卒業したグリーンスクールバリ(Green School Bali)※もそんな感じ。LGBTQの人がいてもオープンだし、それが当たり前の世界

桝井/グリーンスクールバリは建物に壁がないから、LGBTQの人とも心の壁がないのかも

露木/みんなが持っているテーマ、すばらしいと思う!環境活動は自分がやっていて楽しいことしかできない。仲間ができて楽しい、他の人が影響を受けて参加してくれるのが楽しい、環境に良い商品を選んで使うことが楽しい、私の場合はこうやって人と会うことが楽しい。「楽しさ」って活動をする上で大事だと思う。

※グリーンスクールバリ:インドネシア・バリ島のジャングルにあるインターナショナルスクール。英語を共通言語として独自の語学習得メソッドを展開。体験や実践を重視し、異文化間の理解、共同作業やプレゼンテーション、アントレプレナースキルを養う。壁がなく、竹でできた教室で学ぶなど世界で一番エコな学校と言われる。

福井大学同窓経営者の会 令和3年度定例会特別講演「Z世代が考えるSDGsのあり方と今後」

2021.11.5

20歳の環境活動家・露木志奈さんを招いての特別講演会が福井大学文京キャンパスで行われました。世界の平均気温上昇や森林破壊、フードロスの問題を取り上げ、個人が行動を変えることの大切さを呼びかけました。特別講演の後、グループに分かれての意見交換会と露木さんへの質疑応答が行われ、それぞれが当事者意識を持って環境問題を考えました。