学べば学ぶほど
新しいチャレンジへの
糸口が見えてくる
- 福井大学医学部附属病院入院支援部
外来総括師長 - 川端 眞由美さんさん
- KAWABATA Mayumi
- 2009年度 大学院医学系研究科 修士課程 修了
キャリア23年目、看護師として働きながら大学院へ
人生を歩む中で、誰にでもいくつかの分岐点があると思います。私にとっては看護師としてのキャリア23年目のある日、大学院に行ってみないかという上司からのアドバイスを受けたことが、分岐点のひとつだったかもしれません。
当時は副看護師長という立場で、現場に立ちながら大学院に通うことが本当に私にできるのだろうかという不安もありました。でも、以前から漠然と「研究」というものに興味があり、また、今の自分に足りないのは、そういったものごとを深く調べたり、掘り下げたりして思考する力なのではないかと思い、本学の大学院医学系研究科の門をたたきました。
大学院での学びが、次への学びに繋がる
修士課程を修了するまでの2年間、「終末期のがん患者のケアに対する看護師の困難感について」というテーマで量的研究に取り組みました。アンケートや統計などから数量化したデータを分析して検証していくわけですが、なかでも統計処理が非常に難しかったです。「学べば学ぶほど数字が結果を教えてくれる」との先生の言葉通り、知識を増やし地道な検証を続けることで、的確な結果が得られることを学びました。文献を読み込む力もついたことで、医療や看護についての最新情報を知る視点や意識も高まりました。仕事をしながら学ぶことができたのは、研究にも現場にもいい相乗効果をもたらしてくれたと思っています。
もちろん、ストレスを感じることも多くありました。病院勤務の休憩時間も、休みの日もひたすら勉強や研究です。「もう無理かも」と諦めかけたことも何度かありましたが、同期の仲間とともに励まし合いながら、時に愚痴も言い合いながら必死にやりました。そうしたわかり合える仲間たちや、夫と当時高校生くらいだった2人の娘たち家族の支えもあり、最後までがんばることができました。感謝しています。
遡れば、短大の看護学科を卒業し、看護師として働きはじめてから、途中2年の出向期間を除いて約30年以上、医学部附属病院に勤務しています。現在、外来総括師長という立場にあるなかで、私が課題としていることは医療従事者のメンタルヘルスについてです。コロナ禍以前から、メンタルの不調を訴える看護師が増加傾向にあることがわかっていました。看護師自身が心身ともに健康でいなければ、患者さんの健康を支えられないはず。看護師がどうやったら心も体もいきいきと仕事をしつづけることができるのか、今後は、そういったことについても勉強していきたい思っています。
- 認定看護管理者サードレベルの仲間たちと
- 大学院修士論文の発表