折坂 誠

家族と地域の
未来を創る医療

  • 折坂 誠
  • ORISAKA makoto
  • 医学部 講師(産科婦人科学)

Profile

1969年、富山県生まれ。2006年、福井大学医学研究科博士課程修了。1994年、京都府・石川県の病院で勤務後、1999年、福井医科大学産科婦人科学助手。2003年、カナダ・オタワ大学に文部科学省在外研究員として留学。2008年より現職。
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不妊メカニズムの解明

 当たり前のことに思われがちな妊娠と出産。しかし、日本では約2割のカップルが不妊で悩み、毎年50人近いお母さんが出産で命を落としているのです。
 私の専門は不妊症の治療で、卵子を包む卵胞という袋が、卵巣で発育し排卵するメカニズムを研究してきました。私は、卵子が産生する「GDF9」というタンパクが、未熟な卵胞が発育するプロセスで、中心的な役割を担うことを見出しています。

体外受精で精子*(赤)が卵子*(黃)へ進入するところ

 かつて不妊の原因はもっぱら女性にあるとされていましたが、多くの体外受精を手掛けた私は、精子の良し悪しが体外受精の成功率に大きく影響すると感じていました。すべての細胞には、活動エネルギーを産生する器官「ミトコンドリア」が存在します。そこで、ミトコンドリアの機能が弱い精子が体外受精に及ぼす影響を、マウスを用いた実験で調べました。精子でミトコンドリアの機能が低下すると、活性酸素が過剰になり、精子が酸化ストレスのダメージを受ける状態になりました。この精子は卵子と受精できなかったり、受精しても受精卵の発育が止まったりすることが分かりました。今後さらに研究を進め、精子や卵子の質を改善する方法を見出したいと考えています。

未来への取り組み

 不妊患者の多くは、治療と仕事の両立に悩んでいます。私は、福井県と協力して、不妊治療の診療ネットワークの構築に取り組んでいます。これは、一般の不妊治療は近くのかかりつけ医、体外受精や顕微授精など専門性が高い治療は大学病院の生殖医療医、と区別することで効率的に診療するための仕組みづくりです。
 また、抗がん剤や放射線治療で生殖機能が低下する恐れのある、がん患者の精子、卵子、受精卵を凍結保存する「福井県がん患者子宝応援事業」や、若い世代に妊娠・出産について考えてもらう啓蒙活動など、地域の不妊対策の支援も行っています。
 子どもは、みんなの宝です。不妊治療や産科医療は「未来を創る医療」だと思います。家族と地域の未来に貢献できるような、研究と医療を進めていきたいです。

妊活カフェ Hello Baby ~いつかパパ・ママになるために~動画公開中 (福井県がん患者子宝応援事業)
https://www.youtube.com/playlist?list=PL08XticS15eLJ8BueR5Szzr-Z_au1UhEV

It's My Favorite!

趣味は読書です。小説や漫画などジャンルを問いません。家族それぞれでお気に入りの本をまわし読みしています。