小林 由佳

音楽と真摯に向き合った大学時代 。
専門性を高めたことが
教師としての自信に

  • 越前町立宮崎中学校
    教諭
  • 小林 由佳さん
  • KOBAYASHI Yuka
  • 2016年度 教育地域科学部(現:教育学部)
    学校教育課程 芸術・保健体育音楽教育2系卒業

顧問を務める吹奏楽部がコンクールで金賞を受賞し、北陸大会へ

 私に音楽の楽しさを教えてくれたのは中学校で出会った吹奏楽部顧問の先生です。音楽に対しての厳しい指導の中にも愛情が感じられ、また、礼儀や気遣いなど人として大切なことも教わりました。その先生に憧れ、私も音楽教師の道を選びました。
 大学卒業後の初任校が、ここ宮崎中学校。生徒数は全学年合わせても90人前後の小規模校です。赴任後すぐに吹奏楽部の顧問になりましたが、当初はいくら練習してもコンクールで結果を出せず悩みました。3年目くらいからでしょうか、教えるというより、生徒の力に限界をつくらず、一緒に音楽を追究していくことを大切にできるようになると、演奏全体の完成度も高くなっていきました。2018年の福井県吹奏楽コンクールでは金賞を受賞し、県の代表として、北陸大会に出場しました。本校にとっては27年ぶりのことで、これは吹奏楽部全員で勝ち取った名誉だと思っています。指揮者として生徒と同じ舞台に立ち、音楽を作り上げられるのは音楽教師の特権ですね。
 通常の授業では3学年全員の音楽を受け持っています。「楽譜が読めない」「楽器がうまく演奏できない」といった音楽が嫌いになってしまう要素を一緒に解決し、まさに音を楽しんでもらえる授業構成を心掛けています。3年間持ち上がりのクラス担任なので、生徒の成長に寄り添えることがやりがいです。

音楽を楽しむ心が導いてくれた教師としての指針

 大学時代を振り返ると、音楽に没頭音した日々でした。実技の練習や楽譜の分析、自分が作った曲をプロに演奏してもらう機会などもありました。多様な音楽観に触れさせていただき、音楽について考える力を高められたという実感があり、指導してくださった先生方に感謝しています。当時、音楽科の同級生は私を含めて6人で、みんな個性派揃い。先生たちはそんな私たち一人ひとりと向き合い、良いところをのばしてくれました。先生や学友、プロの演奏家との出会いがあり、音楽的にも人間的にも視野が広がった4年間でした。その経験は、生徒の持ち味を生かしながら育てるという、指導する上で私が大切にしたいことにつながっていると思います。在学中の後輩の皆さんには、ぜひ学生時代に自分の音楽を追求してほしいです。4年間で音楽の専門性を高められれば、それが教師になってから必ず生きてくると思います。
 これからも「音楽を楽しむ心」を生徒たちに伝え続けたい。また、授業や部活動を通して身近な芸術を楽しむ豊かな心を育んでもらいたい。芸術にふれる機会は生涯においてずっとあるはずですから。

My memories

  • 大学の卒業記念演奏会。フォーマルなドレスに身を包み、演奏を披露した晴れ舞台です。
  • 大学時代に開催したミニコンサート。個性派揃いの学生たちが、一致団結。みんなでひとつのステージを作り上げる楽しさを教え子たちにも味わってもらいたいです。