憧れはマザーテレサ
世界の女性を支援できる
助産師になりたい
- 敦賀市立病院 産婦人科病棟
看護師・助産師 - 田邊 奈緒子さん
- TANABE Naoko
- 2012年度 医学部 看護学科卒業
お産は千差万別、
助産師のケアが妊婦さんの力を引き出す
子どもの頃から人の役に立つ仕事に憧れがありました。看護職に興味を持ったのは、近所の病院で働く看護師さんの姿を見て、自分もあんなふうになりたいと思ったことがきっかけです。中学生の時に大好きだった叔父が亡くなったことで、人命にかかわる看護師を目指そうという気持ちが強くなりました。
大阪にある看護の専門学校を経て、そのまま大阪の病院に就職しましたが、高校生の頃、海外のお産現場の様子をテレビで見たときに感じた、命の誕生に携わりたいとの思いも捨てきれず、福井県で唯一助産師養成コースがある福井大学医学部看護学科3年次に編入学しました。この時は、希望していた助産師養成コースではなく、保健師養成コースへの編入が認められたのですが、地域全体の健康に目を向ける保健師のスキルも、将来的に必ず役立つはずだと気持ちを切り替えました。「地区踏査」という実習では地域の人々の生活背景を知り、健康課題を探ることで看護師としての視野が広がりました。現在の職場でも地域の保健センターと連携し、妊産婦さんをケアするなど実習経験が役立つ場面が多くあり、自分の選択は間違っていなかったと実感しています。
大学時代は学科の勉強だけでなく、附属病院で看護師としてパートタイム勤務をしたり、野球部のマネージャーをしたりと、充実した毎日を送りました。それらを通して、年齢も考え方も違うさまざまな人たちと交流した経験は、患者さんや医療チームの仲間とコミュニケーションをとる上で役立っています。学生の皆さんもぜひ勉強以外に夢中になれることを探し、社会経験を積むことをおすすめします。
JICA に参加し、西アフリカのベナンへ。
現地の医療環境を改善したい
福井大学を卒業後に、無事、助産師国家試験に合格して資格を取得し、現在は敦賀市立病院産婦人科で病棟勤務をしています。分娩業務や妊産婦さんのケア、両親学級の対応などを任されています。お産は女性によって千差万別で、助産師の声かけやケアが妊婦さんのお産の力を引き出します。母子ともに元気な笑顔を見られた時は、最高のやりがいを感じます。
今年から病院を退職し、JICA(国際協力機構)の活動に参加します。西アフリカのベナンへ赴任する予定で、期間は2年間。現地では看護師、助産師の知識を生かし、予防接種の普及や安全な出産環境を整えるための活動をします。子どもの頃から持ち続けている「人の役に立ちたい」という思いは、今でも私の指針になっています。マザーテレサのように人への慈しみの気持ちを忘れずに、国際的に活躍できる助産師になることが夢です。
- 福井大学附属病院でパートタイム勤務をしていた頃、患者さんに撮影していただいた一枚。さまざまな妊婦さんをケアした経験は財産です。
- 卒業式で、編入学生の仲間たちと記念撮影。キャンパスライフでは多くの出会いがあり、その時の人脈は今も自分を助けてくれます。