患者さんにも自分自身にも
誠実に向き合い
地域に貢献できる医療を目指す
- オレンジホームケアクリニック
院長・医師 - 宮武 寛知さん
- MIYATAKE Hirotomo
- 2010年度 医学部 医学科 卒業
人を臓器別に診るより、その人の思いや苦悩もひっくるめて
総合的に診ていくほうが、私には合っています
大学での病院実習で在宅医療を行っているクリニックに派遣されたのが、在宅医療を知ったきっかけです。以前から専門医よりも幅広くさまざまな患者さんを診るほうが自分には向いているのではと思っていましたが、医師の仕事といえば病院での働き方しか知らなかったので、家庭を訪問して医療を展開するという形にとても魅力を感じました。本人の思いや苦悩をひっくるめて総合的に人間をみるところに惹かれました。
初期臨床研修は、幅広く医療を学びたかったのと、ERが充実しているところから福井大学医学部附属病院を選びました。修了後はもう少し附属病院で学ぶ選択肢もあり迷いましたが、最初から在宅医療で経験を積んだほうが多くのことを吸収できるのではないかと思い、研修でもお世話になった在宅医療専門のオレンジホームケアクリニックに就職しました。在宅医療を行う医師はまだ少ないですし、そこに使命感もありました。もともと人と違うことがしたいという思いも強いんです。せっかく医師になったのだから、私自身が社会に貢献していくためには医師として働ける時間の中で在宅医療の時間を長くとりたいと思いました。
患者さん本人の価値観を把握してそれをベースに医療を展開する。
在宅医療は、私自身も成長させてくれます
オレンジホームケアクリニックは24時間365日の診療体制を持った福井県最初の在宅医療専門クリニックです。医師・看護師・社会福祉士・在宅医療コーディネーター・在宅医療専門事務員などからなるチームで、患者さん一人ひとりに合ったホームケアをサポートしています。疾患でいうと重篤な方も多く、患者さんやご家族の価値観を尊重し、細かいところまで話し合って方針を決めます。辛いこともありますが私自身が人間として成長したと実感できることも多いですね。人間的な成長は医師の成長にとても大切なことだと思っています。
今年の5月から院長に就任しました。常に変化していくことが本院のモットーで、組織もまた変わり続ける必要があるという理事長の考えで院長交代となりました。「あなたの〝生きる〟に寄り添う」というビジョンを掲げて、クリニック全体の運営や理念を再構築しているところです。医師としての仕事はこれまでと変わらないのですが、運営側の視点で発信を強めていきたいと思っています。
- 学生時代は、軽音楽部でドラムを叩いていた。学祭はもちろん、ライブハウスなどでも演奏。現在もクリニックのバンドに参加
- 研修医時代