長谷川 智子 先生

看護のあるべき姿を求めて― 看護能力を高めるために必要な教育とは?

米国で出会った「看護診断」という思想

「看護」とは、何か?医療の中でどのような役割を果たすべきか?改めて問うと看護はけっこう曖昧な概念だということが分かります。
「保健師助産師看護師法」によると、看護は①診療の補助、②療養の援助としか書いてありません。医者の言うとおりに診療のお手伝いをし、患者さんのお世話をする、そんな仕事であると。私もそのようなものとして看護の仕事を捉えていました。
ところが1991年、アメリカの看護大学に留学したとき「看護診断」という考え方に出会ったのです。それは、医療がそうであるように看護も「対象者(患者)に何が起きているのかを判断し、改善方法を明確にし、行為に責任を持て」とする思想でした。米国には看護の責任とは何かについて明確な考えがある。私にとってそれはとても新鮮な体験でした。
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熟達者の〈技〉を伝えるために

看護診断は、①アセスメント、②看護診断、③看護計画、④看護活動、⑤評価という5段階からなる「看護過程」の中のひとつで、特に重要な位置を占めています。アセスメントの結果から患者の状態を把握し、どんな看護行為が必要かを決定する、いわば看護の「核」となる段階だからです。
しかし看護診断は、多くの知識と技術、経験が必要とされる臨床的判断です。高度な「職人技」的な色合いが強いため、単純にマニュアル化することはできません。ではいったいどのような方法が効果的か?それを考えていくことが私の研究テーマなのです。
これまでさまざまな教育方法を俎上に上げ調査を行ってきました。その結果、福井大医学部附属病院が開発した「パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)」など、看護師相互が看護過程の問題や課題を共有し合うことが、看護診断能力の向上に効果的であることが明らかになってきました。
今後も、看護の質の向上と患者の利益の向上を目指し、教育方法やプログラムの開発に取り組んでいきたいと思っています。
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11p-4今ハマっていること★

茶トラの兄弟。兄弟といっても血のつながりはないのですが、とても仲良し。左のまん丸が弟なのですが、甘えん坊でお兄ちゃんが大好きなんです